【今月の生産者紹介】マスカガミ(萬寿鏡)について

メーカー概要

株式会社マスカガミ(萬寿鏡)

創業 1892年
所在地 新潟県加茂市若宮町1丁目1番32号
電話番号 0256-52-0041
FAX 0256-41-4144
ホームページ http://www.masukagami.co.jp/

マスカガミ(萬寿鏡)について

  新潟県のほぼ中央、新潟市と長岡市の真ん中辺りに位置する「加茂市」には町の真ん中を流れる加茂川があります。 川は両側を高いコンクリートの護岸に挟まれていますが、それは今流れている清らかな流れからは想像できませんが、 昔から何度も氾濫を起こし、この地域に大きな被害を出した歴史があるからなのです。両側の道路からは大分低い位置を流れている水は 底まできれいに澄んでいますが、その水は町の南東方向にある標高約1200メートルの稜線の美しい粟ヶ岳から流れてきています。
この町では四季折々に川べりに咲く花々や、水辺に寄ってくる虫や鳥などの自然に親しみながら、端午の節句の頃には川を跨いで 幾本も張られた綱に500匹ほどのこいのぼりが風に泳いだり、真夏には川に沿って約2㎞に亘って仕掛けられた花火が滝のように流れ落ちたり、 冬はコンクリートではなく降り積もった雪の間を流れる水の姿を楽しんだりと、とにかくこの川とともに生活している町なのです。

加茂川

この町の中心からやや上流に、その加茂川の流れを背にして1軒の酒蔵があり、そこが今回ご紹介する「萬寿鏡酒造」です。 この酒蔵の玄関の前には幅が1メートルほどの水路があり、訪れた3月には雪解け水と思われる清冽な水が滔滔と流れていましたが、 真夏でも水量は豊富なのだと聞かされビックリしました。その水の流れの中にデザイン化された水車が透き通ったきれいな水に 押されてクルクルと回っているのです。古い風情の町並みの中にある白壁の土蔵造りの前のそのシャープな造形からこの酒蔵の、 古い日本文化の良さとモダンとを違和感無く組み合わせることのできる包容力のあるお洒落な感覚が何とはなしに伝わってくるのです。

  創業は明治22年(1892年)と言いますから、新潟県内の酒蔵の中ではそれ程古いと言うことではありませんが、 中堅の酒蔵として新潟県内では良く知られているところです。それは以前から普通酒でも酒米を60%まで精米し、 全蔵内の平均精米歩合が55%と言うほどに精米にこだわった、旨味と飲みやすさを追い求める丁寧な酒造りが、 新潟の地酒ブームを担う銘柄のひとつに数えられていたからなのではないでしょうか。

萬寿鏡酒造 外観

水車

  しかしこのように知名度もあり優良な商品を造っている酒蔵の経営トップから、予想もしない言葉を聞かされました。 「新潟だからこその厳しさ」をはっきりと言葉で聞いたのはこの時が初めてでした。新潟の地酒が高い評価を得て注目を 浴びるようになったのは昭和40年代の頃からだったでしょうか。国の自治体の中で公立のものとして唯一残っている 新潟県醸造試験場の強い指導により、米をしっかりと研き雑味の少ない淡麗辛口の酒造りを目指し県内の酒蔵一丸となって そのことに取り組んだのです。それは地域全体の酒の質を向上させ、全国に胸を張って売り込んで行くきっかけともなったのです。 しかしその後、他県の酒蔵も懸命に研究、努力を重ね良質の酒造りに取り組んだこともあり、ここに来て新潟の酒の優位性は大きく 揺らぎ始めてきているのです。

  そんな中で今一番に求められるのは、同じような傾向の酒ばかりの新潟の中でどのように蔵の独自性を出して行ったら良いのかということ なのです。各酒蔵が切磋琢磨しながら高めてきた新潟県の酒ですが、そのことがまた皮肉にも自蔵の酒がその中に埋没してしまいそうな 危機感を感じていると言うのです。

中野壽夫社長

  いち早くそのことに気付き何とかしなければならないと考えた五代目社長の中野壽夫氏が、独自性を出すためのひとつとして 目を付けたのが甕だったのです。たまたま以前から古備前焼の大きな甕がこの蔵にあり、その甕で酒を貯蔵してみたところ円やかさが増し、 熟成効果のあることに気付いたのだそうです。そこで新たに甕を使った酒造りをするためにあちらこちらを探し回って漸く調達した甕は、 赤土の素焼き製のもので800リットルほどの容量があるものでした。今では、ひとつの貯蔵蔵にはその甕が13本置いてあり、 それぞれに不動甕、釈迦甕、普賢甕など「十三仏」の名が記された木札が掛けられていて、この甕への命名にもこの蔵らしさが感じられます。 触れてみると、陶器の土の中の僅かな隙間を滲み出して来た酒で甕の肌はしっとりと湿り気を帯びています。このように甕に詰められた酒は、 陶器の壁を通して呼吸をしながら荒さが取れ円やかになり、じっくりと熟成を深めてゆくのです。でもこの甕で熟成をするうちに滲み出した 酒が気化してしまい酒の量が減ってしまうそうです。

  他の貯蔵蔵にも同じ甕が10本据えられていて、原酒の状態で貯蔵された酒が薄暗い蔵の中でヒッソリと息をしながら生きている、 そんな気がする光景に時の経つのを忘れてしまいそうになります。そしてこれらの甕で熟成した酒は、「甕貯蔵酒」として新しい日本酒の 面白さを私たちに教えてくれています。

素焼きの甕

  また、この酒蔵では20年ほど前から「甕覗(かめのぞき)」という酒を出していますが、これは昔の漬物甕の形をした子供の頭ほどの 大きさの容器で、白地の肌に緑色の釉薬が幾筋か甕の肩から流れていて、その中に一升の酒が入っています。 その甕を囲んで柄杓で汲みながら酒を飲むというものです。酒の量が少なくなってくると皆が甕の中を覗き込みながら酒を汲む、と 言うことの他にもうひとつの意味がこの名前にあったのです。それは白く見えた甕の色は、実は「甕覗」と言う名前の色で、 藍染の染料が入った甕に白い布を入れて引き揚げた時の色なのだそうです。本来は何度も染料の中に布を入れて色を重ねて 濃くして行くのだそうですが、その最初に付いた色合いの名前なのだとか。

  どうです、このように日本の古くからの文化や日本の心やモダンさを織り込んだ酒造りや商品作り。 勿論しっかりとした酒造りが根底にあってこそのさまざまな取り組みなのですが、それは余裕とか遊び心の成せる業と思っていたことが、 実は切羽詰っての独自性を出すための展開だったとは。でもこれだけのことがやれると言うのは、やはり余裕があるからなのかもしれません。
  この蔵がこれからまた打ち出してくる独自性が私たちをどのように魅せてくれるのかとても楽しみなのです。

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