瀧澤酒造について

メーカー概要

瀧澤酒造株式会社

創業 1907年
所在地 新潟県中魚沼郡津南町大字下船渡戌555
電話番号 025-765-2011
FAX 025-765-5100
ホームページ http://www.naebasan.com/

瀧澤酒造について

  苗場山と言うとスキー場を思い出される方が多いのではないでしょうか。でも実際には苗場スキー場は苗場山にはなく、9㎞ほど離れた筍山(たけのこやま)にあるのです。 きっとそれはスキー場から見える苗場山がとても象徴的な山だったからなのではないでしょうか。

  苗場山は標高が2,145mですが、その頂上部分は刀でスパッと切り取られたように平坦な形状をしているのです。しかもその平坦部はおよそ4㎞四方ほどもあり、 そこには池塘(ちとう)と呼ばれる小さな湖沼が無数にある湿地帯になっているのです。池塘とは泥炭層の湿原にできる小さな湖沼のことで、 池塘のある湿原として知られている所では尾瀬ヶ原や日光の戦場ヶ原や釧路湿原などがあります。その湿地に生えるイグサ科のミヤマイ(深山藺)が 苗を植えられた田のように見えることから「苗場山」と命名されたと言われております。

  さてこの「苗場山」を酒銘にしている酒蔵が津南町にあります。津南町は湯沢町の西にあり長野県と境を接している町で、 苗場山の北側に延びる広大な河岸段丘の中にある町です。豪雪が降るこの地域、「冬に雪に埋もれて酒を造っていますてー」とのこの蔵の主の言葉が 妙に重苦しさを感じさせますが、その言葉を裏付けるように建物の入口近くに貼ってある「設計積雪量」と書かれた表示板には、 「下記の積雪量を超えるときは雪下ろしが必要です」とあり、その下には「3.5m」と記されてます。

瀧澤酒造近くの風景

瀧澤酒造 看板

 今回ご紹介するその酒蔵は「瀧澤酒造」です。創業は明治40年と言いますから百年を超える酒蔵ですが、それは入口の上に掲げられている 琺瑯(ホーロー)製の看板の文字やデザインがその創業当時の雰囲気を感じさせてくれています。

 現社長の滝澤敬一氏は4代目で、ご高齢ながら奥様と共に元気にこの酒蔵を切り盛りしていらっしゃいます。毎晩飲む「苗場山」が何よりも楽しみと仰る蔵元の、 「旨い酒だよ」との言葉に酒造りに対する自信と喜びが感じられます。

瀧澤酒造 外観

滝澤敬一代表と奥様

  その酒の旨さを生み出す要因は幾つか挙げられますが、最大の要因は何と言ってもこの地域で深い雪に耐える人々へのご褒美として与えられたとしか思えない、 清冽で豊かな名水ではないでしょうか。それは「龍ヶ窪の水」と呼ばれる1984年に環境庁による「名水百選」に選定された湧水です。 日本一の規模と言われる河岸段丘の中に湧き出す水は長径220m、短径70mの池を形成しており、毎分約30トンの湧水は旱魃の時でも枯れることは無く、 深さ1.5~2mのその池の水を1日で入れ替えると言われております。水質はミネラルが適度に含まれているものの硬度は低く軟水で、水温も7~8度と変化が少なく、 おいしい水とされております。この龍ヶ窪の水は苗場火山の第二期噴火物とその上の段丘堆積物との境界から湧き出していると考えられており、 この酒蔵でも同じ層を流れる良質の伏流水を汲み上げて使っているのです。

龍ヶ窪

 ここの酒の特徴は、障りが無く、嫌味の無い、辛口ではあるけれど当たりが柔らかい大変美味しい酒ということです。これは何より水の良さもあると考えられますが、 空気の澄んだ雪深く凍える寒さが半年近くも続く中でじっくりと造られる酒は、清らかな自然と細やかな人の心がそのまま映し出されているようにきれいな酒です。

 この蔵に入って見ると、昔ながらの道具や設備があちこちに見受けられるのですが、中でも圧巻は仕込み蔵にある木製の仕込み樽ではないでしょうか。 高さが1.8m程あるどっしりとした風格のある樽は、竹を撚ったタガが印象的な美しい形状をしています。残念ながらこのような木製樽を作れる職人が もういなくなってしまったため、使えなくなる度に琺瑯製の樽に入れ替えて来ましたが、いよいよ最後に残ったひとつが未だに現役を勤めている 我々の目の前にある樽だったのです。

 酒を仕込む時期になると、以前は杜氏や蔵人と一緒に桶屋の職人もずっと蔵に泊まり込んでいたそうです。それは仕込み作業の最中にいくつもある樽の、 緩んだり切れたりするタガをすぐに直さなければならなかったからなのです。それだけ維持管理に手間の掛かる代物だったわけですが、それでもずっと 使い続けてきたのには訳があったのです。それはこの木製樽に宿る不思議な力あったからからなのです。酒造りは麹が作り出すさまざまな酵素や、 酵母菌などの目に見えない微生物の働きによるものです。表面がツルンとした琺瑯のタンクは衛生的で丈夫で、外側からの温度管理もしやすく理想的な設備に思えます。 しかし水分を吸ったり呼吸をする木製樽は表面がじとっとして何となく不衛生そうに思えるのですが、どうも酒造りに大切なこれらの微生物にとってはとても 住み心地が良いようで、これは不思議な力としか言いようが無いのだそうです。

木樽

和釜

 残念ながらその木製の樽は最後のひとつになってしまいましたが、このような昔からの道具を大切にしながら昔からの造り方でコツコツ造り続けて来ている 「瀧澤酒造」の清らかな酒、できれば雪景色を見ながら、さもなければ雪深い山々の姿を思い浮かべながら飲んでいただけると旨さ、また格別かと思われます。

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電話:025-256-8077

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