塩川酒造について

メーカー概要

塩川酒造酒造株式会社

創業 1870年
所在地 新潟県新潟市西区内野町662番地
電話番号 025-262-2039
FAX 025-261-3262
ホームページ http://www.shiokawa.biz/

塩川酒造について

  新潟市は日本海に面した都市で、町の中心部からでも歩いて海岸に行くことができます。また全体的に凹凸が少なく平らで、その中心部に向かって信濃川が流れて来ていますが、川は海岸線の2㎞程手前で大きく右に蛇行して海岸線にしばらく並行して流れてから海に注いでいます。川が海岸線の手前で大きく曲がっているのは、海岸線に沿ってずっと高く砂丘が続いているからで、それは高いところでは標高が30m以上あります。

  新潟市西区内野町は市内の中心地から海岸線に沿って南西の方向に12km程の所にあります。この辺りも砂丘は続いていて海岸線に近いところは高く盛り上がっていますが、その内陸部は広い平野が広がっています。しかし昔その辺りは低地で水はけが悪く潟や沼が多く点在し、大雨が降ると辛うじて耕していた田んぼは泥海と化して農民が大いに苦しんでいたそうです。1800年代に漸く農民の願いが叶い、砂丘部分を切り開いて海にまで流れるような延長約5kmの人工の水路が造られたのです。その川は新川と呼ばれ、その大工事をするために人々が集まって発展した町がこの内野町と言われています。

塩川酒造 外観

塩川酒造 蔵

この内野町にある「塩川酒造」が今回ご紹介する酒蔵です。内野町には他にも幾つかの酒蔵がありますが、それはこの地域に良い水があったからだと言われております。水は砂丘で濾過され創り出された地下水で、この蔵の敷地内の比較的浅いところから汲み上げられる中硬水です。中硬水とはなっていますが飲んでみてもとても円やかで軟水かと思うような水なのです。仕込み水に軟水を使うところが殆どの新潟県内の酒蔵の中で、この中硬水の水を使うことでこの蔵独自の淡麗ながらも旨味のある酒が造られているのです。
 この蔵には上水道が全く引かれていないと言うほど質にも量にも恵まれ、この水をふんだんに使ってここの酒造りは行われています。

  「この酒蔵は大正元年(1912年)に創業された大正酒造を昭和8年に引き継ぎ、塩川酒造として再出発したものだそうですが、今でも創業時に建てられた土蔵造りの蔵を使っています。この蔵では、生産量が一時に比べ大分減って現在では400~500石と少なくなっていますが、その少ない生産量を多く増やすことではなく、少ない量のままでいいから良質な酒造りを続けて行こうとの思いが明確にあり、しかもその中で山廃造りや純米にごりや熟成酒などさまざまな種類の酒造りに挑戦していることがここの特徴ではないでしょうか。
 心を込めて造った蔵のお酒を是非楽しく美味しく飲んで欲しい、と語るのは社長の小野寺さんです。
  「更に、すぐ近くの新潟大学の農学部と連携をして大学の附属圃場で栽培された五百万石や越淡麗などの酒米を使った「新潟大学ブランドの酒」の醸造のお手伝いをしたりもしているのです。このように限られた生産量の中で、しかしとても積極的に前向きに楽しみながらマイペースで酒造りをしているように見えるのです。

 日本酒離れが進んできている昨今、特に地方の中小の酒蔵では何とか売上を伸ばそうと経営に苦労しており、廃業するところも年々増えている中でこの蔵も決して例外ではないはずですが、このように生き生きと酒造りをしているのは一体何故なのでしょうか。

汲み上げた地下水

酒造米「亀の尾」

  事務所を訪ねてみるとテーブルの上に並ぶたくさんの酒瓶にビックリしてしまいます。当然自社の酒も並んでいますが、県外の最近人気の酒なども一緒に並んでいて、聞いてみると夕方になるとそれらの酒を社長、専務、製造部長らが飲み比べながらこの酒はどうだこうだと批評したり感心したりして楽しんでいるとのこと。この話を聞き、この蔵の酒造りに対する考え方の柔軟さと、探究心、好奇心の旺盛さ、それと本当に酒を愛し、酒造りを楽しんでいることに感心した次第です。

 しかし、だからと言って決して他所の酒蔵が造る酒の真似をしているわけではないのです。それは製造部長であり杜氏でもある塩川和広氏にこの蔵のご自慢の酒は何ですかの問いに返って来た「それはレギュラー酒「越乃関」の普通酒です。これは他所の普通酒とは違いますから」という答えからもうかがえます。地方の酒蔵にとっては、何と言っても地元の愛飲家が一番のお客様であり、批評家なのです。だから、地元の愛飲家に飲まれる普通酒は、その蔵の顔でありブランドでもありますから、米の出来具合や流行で酒の味が変わることは許されないのです。自分の蔵の造る定番酒はこれと決めた酒を頑なに造り続けながら、一方で日本酒の更なる可能性を求め続けていろいろな酒造りにトライしているのです。

 このような研鑽の成果として関東信越国税局酒類鑑評会で首席第一位や金賞を、また全国新酒鑑評会でも金賞など数々の賞を受賞しています。

塩川和広 杜氏

蔵の中の様子

  仕込み時期を終えた酒蔵を訪れてみると、薄暗い蔵の中にひと冬の仕事を終えた酒造りの容器や道具が静かに置かれていましたがどれもが清潔できちんと整理されていました。今でも全量の米をこれで蒸していると言う甑(こしき)も使い込まれた風合いを見せてくれていました。また生産容量は1300石あると言うこの酒蔵ですが、その半分以下の量に絞り込んでいるが故の余裕のようなゆったりとした空間が蔵の中に漂っているように思えたのです。

 大量生産を拒みながら少量の酒に精魂を込めて造り続けている酒蔵の意気込みが随所に感じられる蔵なのでした。

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電話:025-256-8077

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