新潟の田上町産「越の梅」について

メーカー概要

田上町農産物加工センター

創業 1901年
所在地 新潟県南蒲原郡田上町原ヶ崎新田651番地1
電話番号 0256-57-5031
FAX 0256-57-5031
ホームページ http://www.ja-niigatanankan.or.jp/

田上町 越の梅について

 新潟県田上町は、新潟県の中央部北寄りに位置する町です。町の面積の半分は山地、もう半分は平野が広がり豊かな自然に囲まれています。 田上町の中心に程近くに、平安時代頃からお城があったと言われる護摩堂山がそびえています。 今ではあじさいの名所として知られ、人気のハイキングコースとなっています。 その山頂からは越後平野が一望でき、晴れた日には日本海に浮かぶ佐渡まで見ることができるそうです。 護摩堂山の麓には湯田上温泉があります。温泉旅館や温浴施設などがあり、観光客や地域の人の憩いの場として賑わっています。

 また、恵まれた自然環境をいかした米作りや果実栽培などの農業も盛んな町です。 特に、田上町産の桃など果実は県外の物産展などでも人気だそうです。
 このように田上町で盛んに栽培されている果実の中から、今回新潟屋でご紹介するのは「越の梅」です。 「越の梅」は新潟で栽培されている梅の品種です。もう1つの新潟産の梅の品種「藤五郎」梅の枝変わり(突然変異)として出来たそうです。

越の梅

越の梅 花

  今回、田上町で昭和30年頃から50年近くずっと「越の梅」を栽培しているベテラン農家の乾恭祐さんに、 「越の梅」についてのお話をお聞きさせていただきました。
  枝変わり(突然変異)として出来た品種ですが、この「越の梅」は田上町の風土によく合い、美味しい梅が出来たことから、 昭和30年頃から田上町で「越の梅」の栽培が始まりました。
  「越の梅」の栽培を始めた当初は、試験的に小さな面積の畑からスタートしたそうですが、 その後土地の整備などを町が中心となって行い、昭和40年頃から大きな規模で栽培されるようになりました。当初は6名ほどだった生産組合員も、今では34名もの農家が栽培を手がける「越の梅」の一大生産地となりました。

梅畑

乾恭祐さん

  「越の梅」の特徴は、種が小さく果実の部分が多いこと。また、皮がやわらかいので、梅干などの加工品に向いているそうです。 ただ、このような長所がある反面、 やわらかく薄い皮は病気になりやすかったり、実が大きくなってくると雨などの影響で すぐに割れてしまうといった、育てるには苦労することもたくさんあるそうです。 さらに、梅の木には強く冷たい風が禁物だそうで、風が当たらないように防風ネットで囲ったりするなど対策にもとても気を使います。

  また、乾さんたち組合員は減農薬栽培を行う「エコファーマー」の認定を受けています。 減農薬栽培を始めて、今年で4年目となるそうです。 薬を減らした分ご苦労は増えたのではないのですか?とお聞きしたところ、 「大変だけど何とかなるもんだ。もう慣れた」と笑顔の乾さんから、頼もしいお言葉。 化学的な薬だけに頼ることなく、美味しい梅を乾さんたちは長い間変わらず作り続けています。

減農薬栽培のエコファーマー

収穫

  6月下旬、「越の梅」の収穫が始まりました。 皮がとてもやわらかい「越の梅」は、とても傷つきやすいので1つ1つ手で収穫します。 枝から収穫した梅の実を収めるのは、肩から提げた柔らかい素材のカゴです。 こんなところにも、梅の実を傷つけない工夫がありました。
  初夏の強い日差しを受けながら、皆で協力しながら毎年丁寧に大事に収穫しています。
  同じく6月下旬、梅畑で収穫されたばかりの「越の梅」が田上町農産物加工センターへ届き、梅干の漬け込み作業が始まりました。 ここからは梅干の漬け込みの作業を簡単にご紹介します。
  まず、梅の実はネットの袋に小分けし、水洗いをします。 ネットに入った梅の実を、手作業で丁寧に、流水で2回水洗いします。 実の表面についた汚れを落として、ザルに上げ、水を切ります。
  このように梅の実をネットに入れ工夫することで、実に傷がつくのを防ぎ作業を効率化させているそうです。

梅の実を洗います

塩漬け

  水洗いが終わったら、次は塩漬けです。
  大きな桶に天日塩と梅の実を交互に詰めていきます。 1つの大きな桶には、約50kgの梅の実と天日塩は9kg使います (約18%です。少し塩分が高めかな、と感じましたが、実際に食べてみると酸味が効いているのでそんなに塩辛い感じはないです)。最後に木の蓋をし、その上にも塩を敷き詰めて1つの桶が完成です。 この時期はこのように大きな桶をいくつも仕込んでいきます。
  次に、紫蘇もみの作業です。
  まずは、紫蘇の葉を手で1枚ずつ丁寧に摘み取ります。 ベテランスタッフの皆さんが、素早くきれいな葉を選別し摘み取っていきます。 地域によって収穫の時期が多少異なるので、地場のものがまだ採れない時には他県産のものを使うそうですが、この時期の加工には地場の紫蘇を使っています。

紫蘇の葉を選別します

紫蘇の葉を水洗いします

  摘み取った紫蘇の葉を、丁寧に水洗いします。 表面の汚れが落ちるまで、何度も水洗いを繰り返します。
  きれいに洗って水を切った紫蘇の葉を、次は塩でもみます。 大きなすり鉢に紫蘇の葉と、お茶碗一杯ほどの塩を入れ、手でしっかりもみ込みます。 灰汁と水分を取るため、これを2回繰り返します。 2回目からは灰汁が抜け、きれいな赤紫色の色素が出てきました。
  この紫蘇もみを2回行うことで、紫蘇のきれいな色を出すことができるそうです。 塩もみをした紫蘇の葉を梅酢と梅の漬汁を合わせた液に漬け、そのあと梅と合わせて色づけをするそうです。

天日塩で紫蘇もみ

灰汁と水分を搾ります

  7月に入り梅雨が明け、いよいよ天日干しの季節です。 漬け込んだ梅を太陽の下でじっくり干し上げ、酸味やしょっぱさ、そして旨みをぎゅっと凝縮します。
  漬け込みが終わり、汁を切った状態の越の梅を太陽の下に並べます。 梅の実は重ならないように、1つずつ手で敷き詰めます。 きれいに均して全部の梅に日差しが当たるように、丁寧に広げていきます。

天日干し

  梅の実は、このまま3日天日で干されます。 この間1度ひっくり返して両面を天日干しするそうです。 夜や雨の日は、シートで覆い湿気から梅の実を保護します。 天日干しの間は、こまめに毎日シートの調節を行わなくてはいけないそうで、注意と手間が必要です。

  天日干しをする場所は、倉庫の屋上です。 梅の実が入った大きな桶は、何回かに分けてフォークリフトとクレーンを使い、2階の屋上まで引き上げます。
  この倉庫屋上は、周りに障害となる建物がないので一面に日が当たり、 地上よりも風も良く吹きますので、天日干しには絶好の場所です。 天日干しされた屋上では、梅干の酸っぱくて美味しそうないいにおいが一面に漂っています。

  天日干しが終わると、もう一度漬け込みます。その後は出荷まで寝かせて熟成します。 この暑さとお日様の光、そしてスタッフの皆さんの苦労のお陰で、美味しい梅干が出来上がります。

昨今、スーパーなどで見かける梅干は、減塩で甘めのものが多くなっています。 それらとは違い、こちらの「越の梅」の梅干は、昔ながらの梅干です。 以前はどの家庭でも作っていたような、しょっぱくてすっぱい懐かしい味は、 思わず白いご飯が食べたくなってしまいます。 合成保存料・香料・着色料などは一切使用せず、 作業の工程は全て人の手で行う昔から変わらない手作り。 シンプルな材料だけを使い、素材の自然な美味しさを引き出した田上の「越の梅」の梅干。

越の梅の梅干

  お客さんからは「懐かしくて美味しい。これぞ梅干って味だ」と評判だそう。 「手作りで梅干を作るのは苦労も多いけれど、美味しいといってもらえることが嬉しい」と 加工センターの製造責任者の小澤さんはお話してくれました。
  また、この梅干をペースト状にした、お料理に便利な梅ペースト、青梅を加工した越の梅のジャムも合わせてご紹介しています。 昔ながらの手作り、田上の「越の梅」を使った梅干の、懐かしい味を是非ご賞味ください。

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